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第12章 蛹、羽化の時

情けねぇ。
初めて魚月を抱いたあの夜もそうだった。
魚月を抱いてる事への興奮と、魚月の中の粘膜で、あっという間に果ててしまった。
俺はあの時と全然変わってない。
魚月の体も声も、あの夜と何一つ変わってない。
変わったのは、俺達の関係。

「ああ…っ！あ…っ」

あの夜、魚月は俺を求めてくれた。
少なくとも、あの夜だけは…。

「あぁん…っ！あああ…」

電マで人格が崩壊したのかさっきまでの絶叫も、抵抗する罵倒ももう聞こえない。
ただただ、俺が与えてる快楽に酔いしれて甘い悲鳴をあげている。

「んぅ、ああ…、また、イッちゃ…、イッちゃうぅ…っ！！ああぁぁっ！！」
「お前…、ちゃんと俺だって認識出来てんのか？」
「あああ…っ！」

人格崩壊を起こしてるみたいだし、相手が俺だとわかってるのだろうか？

腰をくねらせて、絶頂を迎えたと同時に体を反らせて…。

どんどん堕ちていく…。
そんな魚月を見てるだけで、俺の心臓も高鳴っていく。
魚月の姿に興奮しながらも、魚月の崩壊の仕方に一抹の不安と嫉妬も覚えていた。

俺だと認識してここまで感じてくれてるのか？
それとも翔太と間違ってるのか…。
翔太にもこんな姿を見せているのか？

こんな時に嫉妬なんてしたくないものだ。
欲望のままに魚月に何をしてしまうか、自分でもわからない。