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せめて、今夜だけ…
第3章 人魚
お洒落なレストランやバーが軒並みを揃える歓楽街。
呑み直したい気分ではあるがあまり派手な店には入りたくない。
だからと言って立ち飲みという気分でもない。
居酒屋やバーぐらいで済ますつもりだったのに、俺の足はまるで吸い寄せられるようにその店を見つけた。
俺が惹かれたのは、その店の名前のせいでもあるかも知れない。
「Sirène?」
外観的に見て、クラブと言ったところだろう。
しかし、店の名前はSirène。
フランス語。
日本語では、人魚という意味だ。
自分が勤めている会社の名前もフランス語だからか、妙な親近感が湧いた。
こういう店に入るとボトルキープをしなくてはならないから、新規でこういう店には入りたくないが、今は妙な親近感と興味の方が勝っていた。
段々肌寒くなって来たし、これ以上この辺をぶらぶらしても仕方ない。
「…………。」
少しの躊躇いはあったが、あまり来ないこの街で、行き付けの店を作るのもいいだろう。
―――――――カランッ…。
ドアを開けると、ドアに付いている来客を知らせる鈴が店内に鳴り響いた。
と、同時に
「いらっしゃいませ~」
中から女性の声が聞こえ、店内から女性がこちらに駆け寄って来た。
呑み直したい気分ではあるがあまり派手な店には入りたくない。
だからと言って立ち飲みという気分でもない。
居酒屋やバーぐらいで済ますつもりだったのに、俺の足はまるで吸い寄せられるようにその店を見つけた。
俺が惹かれたのは、その店の名前のせいでもあるかも知れない。
「Sirène?」
外観的に見て、クラブと言ったところだろう。
しかし、店の名前はSirène。
フランス語。
日本語では、人魚という意味だ。
自分が勤めている会社の名前もフランス語だからか、妙な親近感が湧いた。
こういう店に入るとボトルキープをしなくてはならないから、新規でこういう店には入りたくないが、今は妙な親近感と興味の方が勝っていた。
段々肌寒くなって来たし、これ以上この辺をぶらぶらしても仕方ない。
「…………。」
少しの躊躇いはあったが、あまり来ないこの街で、行き付けの店を作るのもいいだろう。
―――――――カランッ…。
ドアを開けると、ドアに付いている来客を知らせる鈴が店内に鳴り響いた。
と、同時に
「いらっしゃいませ~」
中から女性の声が聞こえ、店内から女性がこちらに駆け寄って来た。