この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて、今夜だけ…
第13章 明けの明星、宵の明星
鈍色の空。
遠くの方からはゴロゴロと雷の音がしてる。
マジで急いで帰らねぇと本格的に降られてしまう。
俺は足早に歩き出し、何とかタクシーを捕まえて帰路に着いた。
とりあえず今から帰って少し仮眠でも摂るか。
睡眠不足はいつもの事だし慣れてるから辛くはない。
シャワーはホテルで浴びたから必要はない。
「はぁ…」
魚月を抱いたらいつもこうなる。
体の中の微熱がなかなか引かない。
何もかもがどうでも良くなる。
仕事の事も、契約の事も。
タクシーの後部座席で顔を覆いながら、何故かわからないがため息を止められないでいると…。
「お客さん、体調悪そうですよ?もしかして、飲み過ぎですか?」
「え?」
俺より少し年上ぐらいのタクシーの運転手がルームミラーでチラチラと俺の顔を確認していた。
あぁ、泥酔してるのかと心配してくれてるのか。
飲み過ぎて朝帰りをしたのかと勘違いされてるようだな。
「いえ、何でもありません…」
「そうですか?」
体調が悪いのはハズレてはいないが…。
魚月を抱いた幸福感。
その次に訪れる強烈な虚しさと寂しさ。
その寂しさにやられてしまいそうになる。
今日は特に…。
「そう言えば、今日は1日雨になるみたいですよ。嫌な空模様ですよね」
遠くの方からはゴロゴロと雷の音がしてる。
マジで急いで帰らねぇと本格的に降られてしまう。
俺は足早に歩き出し、何とかタクシーを捕まえて帰路に着いた。
とりあえず今から帰って少し仮眠でも摂るか。
睡眠不足はいつもの事だし慣れてるから辛くはない。
シャワーはホテルで浴びたから必要はない。
「はぁ…」
魚月を抱いたらいつもこうなる。
体の中の微熱がなかなか引かない。
何もかもがどうでも良くなる。
仕事の事も、契約の事も。
タクシーの後部座席で顔を覆いながら、何故かわからないがため息を止められないでいると…。
「お客さん、体調悪そうですよ?もしかして、飲み過ぎですか?」
「え?」
俺より少し年上ぐらいのタクシーの運転手がルームミラーでチラチラと俺の顔を確認していた。
あぁ、泥酔してるのかと心配してくれてるのか。
飲み過ぎて朝帰りをしたのかと勘違いされてるようだな。
「いえ、何でもありません…」
「そうですか?」
体調が悪いのはハズレてはいないが…。
魚月を抱いた幸福感。
その次に訪れる強烈な虚しさと寂しさ。
その寂しさにやられてしまいそうになる。
今日は特に…。
「そう言えば、今日は1日雨になるみたいですよ。嫌な空模様ですよね」