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せめて、今夜だけ…
第13章 明けの明星、宵の明星



魚月は、大丈夫だろうか…。
俺と同じように高熱に魘されてなければいいが。

あー、でも
魚月には翔太がついてるから大丈夫か…。
そんなもの、認めたくはないが…。
でも、翔太の奴が魚月の心配をして献身的に看病するなんて思えないが…。


高熱に魘されながらも、俺は魚月の事が心配だった。
自分の体調の方が大変だというのに。
魚月も一人暮しみたいだし、俺と同じように臥せってないといいが…、と。
そんな事を考えながら寝室の天井を眺めていた。
そうしてるうちに俺の意識はぼんやりと虚ろいで行く。
それは眠気というよりは気絶に近い感覚。

暑いな…
暑いはずなのに寒気が止まらない…。
このまま風邪を拗らせて肺炎にでもなったら楽に死ねるだろうか…。

叶わぬ恋に身を落として、魚月にまで嫌われて
このまま生きててもいいことなんてないんじゃないか…。
だったらいっそ…。
身体中に感じる倦怠感、高熱のせいで弱気なことばかり考えてしまう。

どうせ熟睡なんて出来ないだろうけど…
このまま、少し、何も考えずに


眠りたい―――――――。











そして、どれぐらいそうしていただろう。
時間の流れがやけにゆっくりに感じる。
時計なんて見てないが…。
今、何時だ…?



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