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せめて、今夜だけ…
第14章 火花
気づくと時刻は21時。
楽しい時間というのはあっという間にすぎてしまうものだ。
「やだ、もうこんな時間じゃん!」
腕時計を見ながら驚いたような先輩。
慌てて荷物を纏めだし帰り支度を始めた。
社長秘書となれば忙しいはずだ。
恐らく明日の朝も早いのだろう。
「そろそろ出ましょうか?」
「うん。お会計しないと…」
「あ、ここは俺が出します。この間のお礼だし」
テーブルに置いてあった伝票を手に取った。
お礼という割りには安く済んでしまったが、先輩が満足してくれたならそれでいい。
俺は病み上がりだったのでアルコールはビール一杯でやめたが、先輩は5杯も飲んだようですっかり出来上がっている様子。
座敷の下に置いてある靴に手を伸ばし靴を履こうとすると
「美味しかったー!また来たいね!」
「そうですね。でも次はもっと美味しいものをご馳走させて下さい」
これぐらいの居酒屋で良ければいつでも。
先輩と俺で散々飲み食いしてもまだまだ安い。
せっかくのお礼なのだからもっと我が儘を言ってくれてもいいくらいなのに。
「次は翔太さん達も誘いましょうよ!」
―――――――っ。
先輩のその言葉に、俺の背中が凍りつく。
翔太さん"達"?
達って事は、まさか魚月も?
「翔太さん、ですか…?」
「うん!前にレストランで食事したでしょ?魚塚君の事凄く気に入ってたから」
楽しい時間というのはあっという間にすぎてしまうものだ。
「やだ、もうこんな時間じゃん!」
腕時計を見ながら驚いたような先輩。
慌てて荷物を纏めだし帰り支度を始めた。
社長秘書となれば忙しいはずだ。
恐らく明日の朝も早いのだろう。
「そろそろ出ましょうか?」
「うん。お会計しないと…」
「あ、ここは俺が出します。この間のお礼だし」
テーブルに置いてあった伝票を手に取った。
お礼という割りには安く済んでしまったが、先輩が満足してくれたならそれでいい。
俺は病み上がりだったのでアルコールはビール一杯でやめたが、先輩は5杯も飲んだようですっかり出来上がっている様子。
座敷の下に置いてある靴に手を伸ばし靴を履こうとすると
「美味しかったー!また来たいね!」
「そうですね。でも次はもっと美味しいものをご馳走させて下さい」
これぐらいの居酒屋で良ければいつでも。
先輩と俺で散々飲み食いしてもまだまだ安い。
せっかくのお礼なのだからもっと我が儘を言ってくれてもいいくらいなのに。
「次は翔太さん達も誘いましょうよ!」
―――――――っ。
先輩のその言葉に、俺の背中が凍りつく。
翔太さん"達"?
達って事は、まさか魚月も?
「翔太さん、ですか…?」
「うん!前にレストランで食事したでしょ?魚塚君の事凄く気に入ってたから」