この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて、今夜だけ…
第14章 火花
きっと、さっきの俺の反応を見て全てを悟ったのだろう。
あの時、魚月だって俺の姿を見つけるなり困ったような表情を見せていた。
気付いてなかったのは俺と翔太だけ、という事か。
「魚塚君…」
いつの日も、先輩には敵わないな。
隠し事も何も出来ない。
―――――「すいません…」
喉の奥から絞り出した悲痛な声。
胸の奥が痛い。
その謝罪は…、魚月へのものか、魚月を愛してしまった俺自身へのものなのか。
「ほ、本気なの…?」
俺のその謝罪を聞いた瞬間、先輩の声も微かに震えていた。
それもそうだ。
自分の後輩が、自分が仕える社長の息子の婚約者に惚れてるなんて。
こんな事が社長か翔太の耳に入ってしまえばタダでは済まない。
だけど…
「俺は…、魚月が…っ」
俺の口は止まらない。
先輩への気づかいも、隠し通そうという思いも砕け散ってしまったかのようだ。
考えてみれば、この想いを誰かに告げた事なんかなかった。
自分の中に隠して来た想いだったから。
絶対、誰にも知られてはいけない想いだったからだ。
「何…、何考えてるのよ…っ!相手はあの市原社長の息子さんよっ!ただの一般人とは訳が違うのよっ!?」
あの時、魚月だって俺の姿を見つけるなり困ったような表情を見せていた。
気付いてなかったのは俺と翔太だけ、という事か。
「魚塚君…」
いつの日も、先輩には敵わないな。
隠し事も何も出来ない。
―――――「すいません…」
喉の奥から絞り出した悲痛な声。
胸の奥が痛い。
その謝罪は…、魚月へのものか、魚月を愛してしまった俺自身へのものなのか。
「ほ、本気なの…?」
俺のその謝罪を聞いた瞬間、先輩の声も微かに震えていた。
それもそうだ。
自分の後輩が、自分が仕える社長の息子の婚約者に惚れてるなんて。
こんな事が社長か翔太の耳に入ってしまえばタダでは済まない。
だけど…
「俺は…、魚月が…っ」
俺の口は止まらない。
先輩への気づかいも、隠し通そうという思いも砕け散ってしまったかのようだ。
考えてみれば、この想いを誰かに告げた事なんかなかった。
自分の中に隠して来た想いだったから。
絶対、誰にも知られてはいけない想いだったからだ。
「何…、何考えてるのよ…っ!相手はあの市原社長の息子さんよっ!ただの一般人とは訳が違うのよっ!?」