この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて、今夜だけ…
第14章 火花
「そう、ですね…」
「そうじゃなくても…、婚約してる女性に手を出すなんて…っ、常識的に有り得ないでしょっ!」
常識?先輩が言ってるのは人としての道徳心?
そんなものが、俺の中に存在するとでも思ってるのだろうか?
そんなものがあったら、魚月に手なんか出していない。
…やはり、俺の心は何かが欠如しているのだろう。
それとも、風邪がぶり返してしまったのか?
先輩にバレてしまったというのに落ち着いている自分がいる。
しかも、先輩は市原グループの人間だというのに。
市原社長と翔太に限りなく近い人物だというのに。
俺はどこか晴々しい気分だった。
「先輩…、すいません」
先輩に何を言われても、俺の心には響かない。
どんなに常識を語られても、道徳心を説かれても、俺にはもう何の意味もないものだ。
それはきっと、これからもそうだ。
変わることはない。
「常識とか道徳とか――――――」
魚月への想いは変わらない。
「そんなもの、もうどうでもいいんです…」
そんな薄っぺらなもの、俺は欲しくない。
魚月を好きになった瞬間から、俺は全てのものに背中を向けたのだ。
「う、魚塚君…」
頭痛を我慢しながら立ち上がった。
この事を先輩が市原社長に告げたりしたら俺は破滅も同然。
「そうじゃなくても…、婚約してる女性に手を出すなんて…っ、常識的に有り得ないでしょっ!」
常識?先輩が言ってるのは人としての道徳心?
そんなものが、俺の中に存在するとでも思ってるのだろうか?
そんなものがあったら、魚月に手なんか出していない。
…やはり、俺の心は何かが欠如しているのだろう。
それとも、風邪がぶり返してしまったのか?
先輩にバレてしまったというのに落ち着いている自分がいる。
しかも、先輩は市原グループの人間だというのに。
市原社長と翔太に限りなく近い人物だというのに。
俺はどこか晴々しい気分だった。
「先輩…、すいません」
先輩に何を言われても、俺の心には響かない。
どんなに常識を語られても、道徳心を説かれても、俺にはもう何の意味もないものだ。
それはきっと、これからもそうだ。
変わることはない。
「常識とか道徳とか――――――」
魚月への想いは変わらない。
「そんなもの、もうどうでもいいんです…」
そんな薄っぺらなもの、俺は欲しくない。
魚月を好きになった瞬間から、俺は全てのものに背中を向けたのだ。
「う、魚塚君…」
頭痛を我慢しながら立ち上がった。
この事を先輩が市原社長に告げたりしたら俺は破滅も同然。