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せめて、今夜だけ…
第15章 人魚は海に還る
プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル…
くそっ、何で出ねぇんだ…。
フェンスに額を押し付けながらただひたすらに願った。
今にも壊れそうなぐらいに高鳴る心臓。
頼むから…、魚月…っ!
プルルルルル、プルルルルル、プルル――――――。
「………っ!?」
呼び出し音が途絶えた。
一瞬の途切れに俺の全神経が集中する。
そして
―――――『…もしもし』
魚月…っ。
受話口から聞こえて来たのは魚月の声。
久しぶりに聞く魚月の声…。
「魚月…っ」
ここが会社だということも忘れて大声で話し出してしまった。
いくら就業中だとは言っても誰が聞いてるかわからないのに。
『…何ですか?』
どこか不機嫌そうな魚月の声。
嫌われてる事は百も承知だが…、でも…
「今、会社で聞いた…。お前…、結婚って…。正式に籍を入れるって…っ」
『もう連絡が行ってるんですね…』
俺とは正反対の落ち着いた声。
俺はショックで今にも倒れそうだというのに、魚月は至って冷静だ。
「何でだよ…っ!何で、いきなり…。そんな…っ」
突然告げられた結婚報告で俺の頭の中はぐちゃぐちゃ。
言いたい事も纏まらず支離滅裂状態。
くそっ、何で出ねぇんだ…。
フェンスに額を押し付けながらただひたすらに願った。
今にも壊れそうなぐらいに高鳴る心臓。
頼むから…、魚月…っ!
プルルルルル、プルルルルル、プルル――――――。
「………っ!?」
呼び出し音が途絶えた。
一瞬の途切れに俺の全神経が集中する。
そして
―――――『…もしもし』
魚月…っ。
受話口から聞こえて来たのは魚月の声。
久しぶりに聞く魚月の声…。
「魚月…っ」
ここが会社だということも忘れて大声で話し出してしまった。
いくら就業中だとは言っても誰が聞いてるかわからないのに。
『…何ですか?』
どこか不機嫌そうな魚月の声。
嫌われてる事は百も承知だが…、でも…
「今、会社で聞いた…。お前…、結婚って…。正式に籍を入れるって…っ」
『もう連絡が行ってるんですね…』
俺とは正反対の落ち着いた声。
俺はショックで今にも倒れそうだというのに、魚月は至って冷静だ。
「何でだよ…っ!何で、いきなり…。そんな…っ」
突然告げられた結婚報告で俺の頭の中はぐちゃぐちゃ。
言いたい事も纏まらず支離滅裂状態。