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せめて、今夜だけ…
第15章 人魚は海に還る
せっかく海が見えるレストランに来たと言うのに、海を見ないままで帰るのは勿体ない。
ホテルのそばには、海沿いを歩ける散歩コースもあるし、街灯もたくさんある。
「魚月の時間が大丈夫なら」
伝票を持って立ち上がる準備をした。
まだ人がいるこの店内じゃ会話の内容にも困ってしまうし。
「大丈夫です。じゃあ、ちょっとだけ」
本当は、海なんてどうでもいい。
散歩なんてどうでもいい。
あと1分、あと1秒…、今夜で最後だと思うと少しでも長く一緒にいたいと思う気持ちが止まらない。
自分の気持ちに蹴りを付けに来たはずなのに、これでは逆効果だ。
だけど…、どんなに願っても魚月は翔太のものになるんだ。
どんなに嫌がっても…、今夜はさよならしなくてはならないんだ。
レストランを出てホテルからも出た俺達はホテルのそばの散歩コースを歩いていた。
夜道を散歩する人達の為に歩道がちゃんと出来ていて街灯もある。
いつもならもっと人がいてもいいはずだが、先程の雪のせいで俺達以外は誰もいない。
それもそうか…。
雪が降るぐらいのこんな寒い夜に、風も冷たく感じる海のそばなんて誰も歩きたくないだろうな。
だが、今だけは雪に感謝している。
最後の最後に、こんな素敵なシチュエーションになったのだから。
ホテルのそばには、海沿いを歩ける散歩コースもあるし、街灯もたくさんある。
「魚月の時間が大丈夫なら」
伝票を持って立ち上がる準備をした。
まだ人がいるこの店内じゃ会話の内容にも困ってしまうし。
「大丈夫です。じゃあ、ちょっとだけ」
本当は、海なんてどうでもいい。
散歩なんてどうでもいい。
あと1分、あと1秒…、今夜で最後だと思うと少しでも長く一緒にいたいと思う気持ちが止まらない。
自分の気持ちに蹴りを付けに来たはずなのに、これでは逆効果だ。
だけど…、どんなに願っても魚月は翔太のものになるんだ。
どんなに嫌がっても…、今夜はさよならしなくてはならないんだ。
レストランを出てホテルからも出た俺達はホテルのそばの散歩コースを歩いていた。
夜道を散歩する人達の為に歩道がちゃんと出来ていて街灯もある。
いつもならもっと人がいてもいいはずだが、先程の雪のせいで俺達以外は誰もいない。
それもそうか…。
雪が降るぐらいのこんな寒い夜に、風も冷たく感じる海のそばなんて誰も歩きたくないだろうな。
だが、今だけは雪に感謝している。
最後の最後に、こんな素敵なシチュエーションになったのだから。