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せめて、今夜だけ…
第16章 泡沫に泳ぐ魚


「大丈夫よ」

先輩の手が俺の頬に触れた。

魚月の手じゃない。
魚月の手と違い、ひんやりと冷たい先輩の手。

「私がいるから…」




私がいる…?
魚月はいないのに、先輩が…?
先輩では魚月の変わりにはなれない。
先輩だけじゃなく他のどんな女でも魚月の変わりになんてなれない。

それでも、今はただ、何かに寄りかかりたい。
このままでは心まで凍ってしまいそうだ。
胸が張り裂けそうで、全身がバラバラになってしまいそうなぐらいに痛い。

「私の事、好きじゃなくてもいいの。今はただ、魚塚君のそばにいたい…」




先輩の手を取れば楽になれるのか?
愛せるかどうかもわからないのに…。
まだ俺の中には魚月がいるのに…。

さっきまで、この腕の中にいたのに…っ。




―――――――っ。




それでも、1人でいると悲しみに押し潰されてしまいそうになる。
さっきまでこの腕の中にいた魚月を思い出しただけで、涙が零れそうになる。

魚月との思い出は、まるで猛毒のように俺を殺してしまい兼ねない。
甘い甘い記憶…。

本当に…、心まるごと凍ってしまえば楽になれるのに…。





「…………っ」




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