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せめて、今夜だけ…
第17章 人魚が残した猛毒
桐谷との祝賀会を終え家に帰ると、先輩が俺のために軽い軽食を用意して待ってくれていた。
「いつもすいません。料理まで作って貰って…」
「私が好きでしてる事だから気にしないで!」
小腹を空かせて帰宅するであろう俺のために、先輩は雑炊を作って待ってくれていたのだ。
あの日、魚月と別れた日から体調を崩した俺を心配してか先輩は度々俺の様子を見に来てくれている。
時にはこうして食事の準備までしてくれている。
仕事以外の事に構っていられなかった俺に取っては有難い事だ。
「それに、せっかくの合鍵まで貰ったのに、使わないと可哀想でしょ?」
「それもそうですね」
先輩は仕事の片手間に俺の身の回りの世話を焼いてくれている。
お陰で体調は戻りつつあるが、まだ本調子ではない。
そんな病み上がりの俺の変わりに掃除をしてくれたり、洗濯をしてくれたりしている。
そんな先輩の優しさに甘えて、部屋の合鍵まで渡してしまっているが…。
本当は…、魚月がいなくなった今では全てがどうでもいい。
誰に合鍵を渡そうが、誰が俺の身の回りの世話をしてくれようが。
桐谷や先輩の前で見せている笑顔も、中身は空っぽのまま。
その場の空気を読んで適当な会話で場を繋いでいるに過ぎない。
「いつもすいません。料理まで作って貰って…」
「私が好きでしてる事だから気にしないで!」
小腹を空かせて帰宅するであろう俺のために、先輩は雑炊を作って待ってくれていたのだ。
あの日、魚月と別れた日から体調を崩した俺を心配してか先輩は度々俺の様子を見に来てくれている。
時にはこうして食事の準備までしてくれている。
仕事以外の事に構っていられなかった俺に取っては有難い事だ。
「それに、せっかくの合鍵まで貰ったのに、使わないと可哀想でしょ?」
「それもそうですね」
先輩は仕事の片手間に俺の身の回りの世話を焼いてくれている。
お陰で体調は戻りつつあるが、まだ本調子ではない。
そんな病み上がりの俺の変わりに掃除をしてくれたり、洗濯をしてくれたりしている。
そんな先輩の優しさに甘えて、部屋の合鍵まで渡してしまっているが…。
本当は…、魚月がいなくなった今では全てがどうでもいい。
誰に合鍵を渡そうが、誰が俺の身の回りの世話をしてくれようが。
桐谷や先輩の前で見せている笑顔も、中身は空っぽのまま。
その場の空気を読んで適当な会話で場を繋いでいるに過ぎない。