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せめて、今夜だけ…
第17章 人魚が残した猛毒
「今日からは"安西さん"って呼ばせてもらいますね」
"安西"というのは、先輩の前のご主人の名字だが、周りの人間も先輩の事を"安西さん"と呼んでるのなら俺もそれに合わせた方がいいだろう。
その方があらぬ誤解を産まなくて済む。
「"安西さん"ね…」
「あの、何か?」
「ううん、何でもない!」
一瞬曇ったように見えた先輩の顔。
しかし、その表情はすぐに笑顔に戻った。
今、一瞬
不服そうな表情が見えたんだけど、俺の気のせいか?
「ところで、あ、安西さん…」
「何?」
安西さん…、昔から知ってる先輩を別の名前で呼ぶのは少々緊張する。
慣れてないせいか、若干気恥ずかしい…。
「市原グループの次期社長はお元気ですか…?」
「え…?」
「ほら、一応一緒に仕事をした仲ですし、うちからも結婚祝いに何かを贈ろうっていう話しが出てるんで…」
翔太の結婚祝いをしようというのは本当である。
それは俺の意思ではなくBijouxで決まった事だ。
まぁ、俺が気にすることではないが。
「結婚の準備は進んでるんですよね?式や入籍はいつになる予定なんですか?」
あれから半年も経ったというのに、市原グループからは何の連絡もない。
次期社長の結婚式ともなればいろいろと準備も忙しいのだろう。
招待客や引き出物の手配、式場の予約。
平凡な結婚式とは違い豪勢な式になるのは間違いないだろうし。
それとも、もう式も入籍も終わったのだろうか?
"安西"というのは、先輩の前のご主人の名字だが、周りの人間も先輩の事を"安西さん"と呼んでるのなら俺もそれに合わせた方がいいだろう。
その方があらぬ誤解を産まなくて済む。
「"安西さん"ね…」
「あの、何か?」
「ううん、何でもない!」
一瞬曇ったように見えた先輩の顔。
しかし、その表情はすぐに笑顔に戻った。
今、一瞬
不服そうな表情が見えたんだけど、俺の気のせいか?
「ところで、あ、安西さん…」
「何?」
安西さん…、昔から知ってる先輩を別の名前で呼ぶのは少々緊張する。
慣れてないせいか、若干気恥ずかしい…。
「市原グループの次期社長はお元気ですか…?」
「え…?」
「ほら、一応一緒に仕事をした仲ですし、うちからも結婚祝いに何かを贈ろうっていう話しが出てるんで…」
翔太の結婚祝いをしようというのは本当である。
それは俺の意思ではなくBijouxで決まった事だ。
まぁ、俺が気にすることではないが。
「結婚の準備は進んでるんですよね?式や入籍はいつになる予定なんですか?」
あれから半年も経ったというのに、市原グループからは何の連絡もない。
次期社長の結婚式ともなればいろいろと準備も忙しいのだろう。
招待客や引き出物の手配、式場の予約。
平凡な結婚式とは違い豪勢な式になるのは間違いないだろうし。
それとも、もう式も入籍も終わったのだろうか?