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せめて、今夜だけ…
第18章 彼方
一瞬感じた先輩の焦り。
まるで何かを隠そうとしてるかのような焦り方。
その反応に俺の中の微かな希望が大きくなっていく。

もしかしたら、本当に魚月は…。

「お願いします。知ってる事があるなら教えて下さい」

これがもし、ドラマや映画なら
自分に好意を持ってくれてる女性が恋敵の情報等教えてくれるはずがない。
本当に婚約破棄をしてないならちゃんと否定してくれるはず。
否定しないということは何かしらのトラブルがあったのは確かだ。
それすら俺には言ってくれなかったのだから。

だけど、魚月の状況を知るには先輩に頼るしか方法はない。
騙される可能性だって大いにあるが、何もしないよりはマシだ。

『……………。』
「先輩…」

軽蔑すべき男の頼みなんて聞きたくないだろう。
自分でも最低な事をしてると思う。
だが、今の俺にはこうする以外に方法は――――。




『今夜、由之の部屋に行くから。その時に話す…』
「……っ」

弱々しく呟いた先輩の声。
俺の頼みを受け入れて、くれた?

「はいっ!ありがとうございます…っ!」――――――





俺の言葉が届く前に電話は切れてしまった。
まさか、先輩が俺の頼みを聞いてくれるなんて思いもしなかった。


魚月…
魚月…っ。


心臓が今にも破裂しそうだ。
俺は本当に…、自分でもうんざりするぐらいに魚月が好きなんだ。


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