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せめて、今夜だけ…
第19章 欲心と懺悔
魚月…。
お前を想わない日はなかった。
――――――「んっ、んぅ…?」
どれぐらい眠っていたのだろう。
部屋に残る仄かなアルコールの香りで俺は目が覚めた。
どうやら俺は、リビングのソファで眠ってしまったようだ。
あー、シャンパン一杯で寝落ちしちまうなんて…。
よっぽど疲れてたのか、それとも緊張の糸が切れたのか。
微かに感じる頭の鈍痛。
二日酔い確定だな。
あ、そう言えば、先輩はどうしただろうか?
せっかくシャンパンを持って来てくれたのに、肝心の俺が先に寝落ちしてしまうなんて。
昨夜の事も謝りそびれてしまった。
とりあえず、先輩にはまた何か謝罪をしないと――――――。
しかし、俺は自分の体に感じる違和感を感じた。
起き上がろうと体に力を入れようとした瞬間。
「あぁ…、もう起きちゃったの?」
「………なっ!?」
ソファに寝転がった俺の体の上に感じる重味。
寝惚けてたせいで気づかなかったが、俺の体の上に誰かいる…っ?
視線をずらすと、そこにいたのは…。
「な、せ、せんぱ…っ」
「あーぁ、先輩って呼ばない約束でしょ?」