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せめて、今夜だけ…
第19章 欲心と懺悔
いや、この状況でそんな事言われても…。

先輩は俺の体に寄り添いながら、俺のワイシャツのボタンを外して行く。
しかもよく見ると、先輩は服を脱ぎ下着姿になっていた。

は?何だよこの状況…っ!
え…っ?俺、寝惚けてんのか…っ?
夢でも見てんのかよ…っ?

先輩は怪しげな笑みを浮かべながら、状況が掴めずただただポカンとする俺の頬を優しく撫でた。

「大丈夫。私が全部忘れさせてあげるから」



は…?
忘れさせる…?
は?な、何言ってんだよ先輩…っ。
つーか、何だよこれ…っ!
訳わかんねぇよっ!!


「ちょっ、せんぱ――――」

俺の体に寄りかかる先輩を押し退けようと体を起こそうとするが…

「――――――っ!?」

肩や腰の力がガクンッと抜けた。








あ、あれ…?
体に…、力が入らねぇ…。






体に力が全く入らない。
手や頭や足を動かすといった簡単な動作は出来るが筋肉に力を入れようとするとまるで体が痺れたように言うことを聞かない。

な、何だよ…、これは…。

体の違和感に一瞬恐怖を覚えた。
自分の体なのに、まるで自分の体じゃないみたいだ。
しかし、不安な表情を浮かべる俺を心配して、先輩が耳元で囁いた。



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