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せめて、今夜だけ…
第22章 核心
店員が下がると、翔太はアメリカンにシュガーを注ぎながら話しを進めて行く。

「ったく。式の準備も身内への報告も全て終わった後なのに。何を考えてるんですかね」
「あ、あぁ…、そ、うですね…」

俺は翔太が魚月を捨てたのだとばかり思っていた。
あれだけ実家を助けたがっていた魚月が婚約を破棄するなんて考えられなかったからだ。
だが、今の話しを聞く限り魚月が一方的に婚約を破棄したようだ。
この男の日頃の行いにも問題はあるだろうが…。

「俺の面子は丸つぶれですよ、ははっ」

いや…、何をそんなに呑気に笑っていられるんだ、この男は。
もしかして、魚月から婚約破棄をされたというのは嘘なのか?
いや、今の態度を見る限り、嘘を付いてるようには思えない。
やはり、魚月から婚約破棄をされたというのは本当のようだ。
ここは信じるしかなさそうだな。

「でも、何でいきなり―――――…」




何故魚月から婚約破棄を言われたのか。
何か心当たりはないのか?
少し踏み込んだ質問をしようとした矢先だ。





~♪♪~♪~♪♪♪




「あぁ、失礼」
「……どうぞ」

翔太は徐にスーツの内ポケットに手を伸ばした。
どうやら内ポケットに入れていたスマホに用があるのだろう。
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