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せめて、今夜だけ…
第23章 不協和音
魚月に出会って、先輩とも再会して、いろいろあって、今になって自分のしてきたことの愚かさに気づくなんて皮肉だな。
大人になった気でいたのに、俺の中身はまだまだ青二才だ。

とりあえず、先輩からの話しは翔太の事だったみたいだ。
魚月の情報が聞けなくてガッカリはしたが、先輩は俺の身を案じてくれていたのだろう。
本来なら翔太とのイザコザを未然に防いでくれた事をもっと感謝しなくてはならないのだろうが、さすがに今は手が離せない。
今も忙しい同僚の目を誤魔化して長々とトイレに居座っているのだから。

「あの、もっとゆっくりと話したいんですが、今業務が手一杯で…」

早く戻らないと仲間や部長から恨まれてしまう。
翔太との間だけならまだしも、部署内でのイザコザは流石にごめんだ。

「急ぎですいません。また後でこちらから―――――」

そう言って電話を切ろうとした瞬間

『あー、ちょっと待って!ストップストップ!もう1つ用件が…』
「は?」

電話を切ろうとする俺を大声で止めた先輩。
何か…、偉く慌ててるみたいだ。

「あの、まだ何か?」
『魚月さんの居場所、わかったわよ』











――――――え?

魚月の居場所が?
先輩からのその一言で、身体中の血液が沸き立った。


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