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せめて、今夜だけ…
第25章 水音
ここまで来て、わくわくする反面、少しの恐怖を覚えていた。
もし魚月に拒絶されたらどうしよう、と。
そんな事、覚悟の上でここまで来たはずなのに、終点が近づくに連れて心臓の鼓動が早くなって行く。

魚月に早く会いたい。
でも、拒絶されたら?
会って抱き締めたい?
もし、実家にいなかったら?

そんないろんな気持ちが浮かんでは消えていく。
気分の浮き沈みのせいで酔ってしまいそうだ。


魚月の実家は隣の県の端の方で、電車一本で行けるとは行ってももうすぐかかりそうだ。
降りる駅は終点だし、このまま眠ってもいいかな?
昨日は全然眠ってない。
電車の揺れが心地よくて、気づけば俺は窓に頭を預けてウトウトしていた。

魚月…、早くお前に会いたいよ。
聞きたいことや言いたいことがありすぎる。
でもまずは、お前の笑顔が見れればそれでいい。
それなりに幸せであって欲しい。


――ガタン,ガタン,ガタン,ガタン…――



電車の中で眠ってしまい、その時に見た夢の中。





―魚塚さん―




―大好きです…―






夢の中で、俺は去年の冬の魚月を思い出していた。
最後に見た魚月。
涙を流しながら、俺の前で必死に笑う魚月の笑顔と俺の名前を呼ぶ甘い声。

今も脳裏に、鼓膜にこびりついて離れない。

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