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せめて、今夜だけ…
第25章 水音
「どうやって実家の住所を調べたのかはわかりませんけど、そんな事を聞きにわざわざこんな田舎まで来たんですか?」
冷たい目で俺を見つめる魚月。
それはもう、俺の知ってる魚月じゃない。
俺が好きだった魚月じゃない。
「魚月、お前…」
「だから言ったでしょ?私は、魚塚さんが思ってるほどいい子じゃないって」
魚月に覚悟があったから、俺は身を引いたんだ。
叶わない恋でも、俺は信念を持った魚月に惹かれたんだ。
なのに、何でだよ…。
翔太と結婚して欲しかったんじゃない。
翔太との婚約破棄の話しを聞いて喜んだのは事実だ。
俺には、魚月の決めたことに口を出す権利なんかないのはわかってる。
だが、俺が望んでたのはこんな事じゃない…っ。
「話しは終わりましたよね?私は仕事があるんで。もう昼休みも終わりの時間だし」
手に持っていた帽子を被り直すと、魚月は座っていた岩から降りた。
昼休み?
あぁ、さっきのスーパーの袋は昼飯の買い出しか。
「魚塚さんも早く帰った方がいいですよ?田舎の電車の終電は早いですから」
帽子を被り直すと俺の脇を通り抜けて帰って行こうとしている。
俺の方を見向きもせず、興味もないかのような素振りで。
…俺の気持ちなど一切気にしてないかのように。
冷たい目で俺を見つめる魚月。
それはもう、俺の知ってる魚月じゃない。
俺が好きだった魚月じゃない。
「魚月、お前…」
「だから言ったでしょ?私は、魚塚さんが思ってるほどいい子じゃないって」
魚月に覚悟があったから、俺は身を引いたんだ。
叶わない恋でも、俺は信念を持った魚月に惹かれたんだ。
なのに、何でだよ…。
翔太と結婚して欲しかったんじゃない。
翔太との婚約破棄の話しを聞いて喜んだのは事実だ。
俺には、魚月の決めたことに口を出す権利なんかないのはわかってる。
だが、俺が望んでたのはこんな事じゃない…っ。
「話しは終わりましたよね?私は仕事があるんで。もう昼休みも終わりの時間だし」
手に持っていた帽子を被り直すと、魚月は座っていた岩から降りた。
昼休み?
あぁ、さっきのスーパーの袋は昼飯の買い出しか。
「魚塚さんも早く帰った方がいいですよ?田舎の電車の終電は早いですから」
帽子を被り直すと俺の脇を通り抜けて帰って行こうとしている。
俺の方を見向きもせず、興味もないかのような素振りで。
…俺の気持ちなど一切気にしてないかのように。