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せめて、今夜だけ…
第26章 人魚と王子
「どうしたも別にないですよ。本心ですよ!」
本心…?
なら、今俺の目の前にいるのが本当の魚月だというのか?
俺が愛した女はこんな冷酷な女だったのか?
「てか、実家の住所まで調べるとか正直引きますよ!ガチのストーカー一歩手前じゃないですか」
俺は捲し立てる魚月の背中を見ながら何故か他人事のように感じた。
魚月は、何を喋ってるんだ?
俺を罵倒してるのか?
魚月はそんな女じゃなかったはずだ。
「とりあえず、私への挨拶も済みましたし、これで心残りは―――――――」
嗚呼、そうだな。
魚月はこんな女じゃなかったな。
自分で自分に言い聞かせ誓ったはずだ。
俺の中にいる魚月を信じろと。
あの、甘くてとろけそうな笑顔で笑う魚月を。
「どうして勝手にいなくなった?」
「……………っ」
俺はずっと胸の中に抱えていた疑問を魚月にぶつけた。
さっき、実家近くの河川敷で聞けなかった疑問を。
「婚約破棄して、翔太とも別れて…、なのに、何で俺に連絡一本も寄越さないでいなくなった?」
「それは…」
俺からのその質問に魚月は何も言えなくなってしまった。
でも、聞きたいことはそれだけじゃない。
本心…?
なら、今俺の目の前にいるのが本当の魚月だというのか?
俺が愛した女はこんな冷酷な女だったのか?
「てか、実家の住所まで調べるとか正直引きますよ!ガチのストーカー一歩手前じゃないですか」
俺は捲し立てる魚月の背中を見ながら何故か他人事のように感じた。
魚月は、何を喋ってるんだ?
俺を罵倒してるのか?
魚月はそんな女じゃなかったはずだ。
「とりあえず、私への挨拶も済みましたし、これで心残りは―――――――」
嗚呼、そうだな。
魚月はこんな女じゃなかったな。
自分で自分に言い聞かせ誓ったはずだ。
俺の中にいる魚月を信じろと。
あの、甘くてとろけそうな笑顔で笑う魚月を。
「どうして勝手にいなくなった?」
「……………っ」
俺はずっと胸の中に抱えていた疑問を魚月にぶつけた。
さっき、実家近くの河川敷で聞けなかった疑問を。
「婚約破棄して、翔太とも別れて…、なのに、何で俺に連絡一本も寄越さないでいなくなった?」
「それは…」
俺からのその質問に魚月は何も言えなくなってしまった。
でも、聞きたいことはそれだけじゃない。