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せめて、今夜だけ…
第5章 恋心
雨の中、立ちすくんだまま涙を拭いながらも泣きじゃくる女。
それは、紛れもない魚月だった。
――――――ドクッ、ドクッ…。
……頭がちゃんと働かない。
心臓が痛い。
な、何で魚月がここに?
用事があるからって帰ったんじゃねぇのか…?
そんな事より、さっきの男は…?
あれが弟か?
いや、あの会話はどう聞いても姉弟の会話じゃない。
それに、魚月はあの男の事を「市原さん」って呼んでたし。
―――――――ドクッ、ドクッ…。
さっきまで熱かった体が再び冷えていく。
それはまるで、身体中が凍りつくような感覚だ。
「ふぅ…」
呼吸と動悸を落ち着かせようと小さな深呼吸をしたが、肺に入って来る空気もまるで氷のように冷たい。
肺まで凍りつきそうだ。
……会話の内容からして、恐らくあの男は魚月の彼氏だ。
別に魚月に彼氏がいたっておかしくない。
若いし、見た目も悪くないし、彼がいても不思議じゃない。
ホステスなんだから、独り身だって嘘を付くのもわかる。
あの男だって…、ホステスを辞めて欲しいという気持ちはわからなくもない。
全部説明が付く事だ。
何も驚く事はないのに、何で俺はこんなに凍えそうになってるんだ?
それは、紛れもない魚月だった。
――――――ドクッ、ドクッ…。
……頭がちゃんと働かない。
心臓が痛い。
な、何で魚月がここに?
用事があるからって帰ったんじゃねぇのか…?
そんな事より、さっきの男は…?
あれが弟か?
いや、あの会話はどう聞いても姉弟の会話じゃない。
それに、魚月はあの男の事を「市原さん」って呼んでたし。
―――――――ドクッ、ドクッ…。
さっきまで熱かった体が再び冷えていく。
それはまるで、身体中が凍りつくような感覚だ。
「ふぅ…」
呼吸と動悸を落ち着かせようと小さな深呼吸をしたが、肺に入って来る空気もまるで氷のように冷たい。
肺まで凍りつきそうだ。
……会話の内容からして、恐らくあの男は魚月の彼氏だ。
別に魚月に彼氏がいたっておかしくない。
若いし、見た目も悪くないし、彼がいても不思議じゃない。
ホステスなんだから、独り身だって嘘を付くのもわかる。
あの男だって…、ホステスを辞めて欲しいという気持ちはわからなくもない。
全部説明が付く事だ。
何も驚く事はないのに、何で俺はこんなに凍えそうになってるんだ?