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せめて、今夜だけ…
第5章 恋心
公園内を見渡すと屋根のあるベンチが数ヵ所に設置されてるのが見えた。
恋人同士のデート用だろう。
街灯もあるし、幸い俺達以外に誰もいないようだ。
こんな雨の日にわざわざ公園でデートする奴もいないだろう。
「ほら、寒いだろ?」
近くの自販機でホットココアを買い、ベンチに座る魚月に手渡した。
店で着ていたドレスの上にコートを1枚引っかけただけの格好。
いくら厚手のコートとは言え薄着過ぎる。
しかもこの雨に濡れてコートも濡れているし、風も冷たい。
さすがに身体中冷えきっているだろうと思った。
「…ありがとうございます」
俺の手からココアを受け取った魚月は、プルタブを開けると、冷えた身体を温めるようにココアを飲み出した。
酔いを覚ますつもりだったのに、何で俺が魚月を介抱してんだよ。
俺が介抱されたいぐらいなのに。
俺はさっき買った水をグイッと飲んだ。
「あったかい…」
「あ、あぁ…」
先程とは違う素直な魚月に俺は戸惑いを隠せない。
これだけ素直だと調子が狂うな。
今はいつもみたいに罵倒する元気もないだろう。
「雨、止みそうにないですね…」
「え?あ、あぁ…」
空を見上げながら魚月がそう呟いた。
確かに、雨足は強くなるばかりで止む気配はない。
恋人同士のデート用だろう。
街灯もあるし、幸い俺達以外に誰もいないようだ。
こんな雨の日にわざわざ公園でデートする奴もいないだろう。
「ほら、寒いだろ?」
近くの自販機でホットココアを買い、ベンチに座る魚月に手渡した。
店で着ていたドレスの上にコートを1枚引っかけただけの格好。
いくら厚手のコートとは言え薄着過ぎる。
しかもこの雨に濡れてコートも濡れているし、風も冷たい。
さすがに身体中冷えきっているだろうと思った。
「…ありがとうございます」
俺の手からココアを受け取った魚月は、プルタブを開けると、冷えた身体を温めるようにココアを飲み出した。
酔いを覚ますつもりだったのに、何で俺が魚月を介抱してんだよ。
俺が介抱されたいぐらいなのに。
俺はさっき買った水をグイッと飲んだ。
「あったかい…」
「あ、あぁ…」
先程とは違う素直な魚月に俺は戸惑いを隠せない。
これだけ素直だと調子が狂うな。
今はいつもみたいに罵倒する元気もないだろう。
「雨、止みそうにないですね…」
「え?あ、あぁ…」
空を見上げながら魚月がそう呟いた。
確かに、雨足は強くなるばかりで止む気配はない。