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せめて、今夜だけ…
第7章 夜明けのコーヒーを
どんなに強がっても、どんなに誤魔化そうとしても、隠しきれない。
無意識のうちに魚月を探してる。
自分の知らないうちにドラッグストアへと足が動いてたくらいに。
「…んでだよ、魚月…っ」
何度も…
何度も何度も何度も何度も自分に言い聞かせた。
魚月には婚約者がいて、もうすぐ結婚する、と。
もうすぐ誰かのものになる、と。
家庭のある女になるのだ、と。
家庭のある女には手を出さない、と。
最後なら、さよならぐらい言わせて欲しかった。
もう1度、魚月に会いたかった。
もう1度、口喧嘩でも嫌味でもいいから魚月と話したかった、声が聞きたかった。
でも、今になって思っても全部どうにもならないこと。
まさか、魚月の存在が俺の中でこんなに大きくなってるなんて知らなかった…。
転んだままの体に、冬の冷たい風が吹き抜ける。
さすがに…、自分で自分に同情してしまう。
痛みを堪えて立ち上がろうとした。
いつまでも歩道の真ん中で座り込んでたら通行人の邪魔になるし、何より恥ずかしい。
力を入れただけでズキッと痛む足。
何とか力を入れて立ち上がろうと片膝を立てた。
ちくしょー、捻挫でもしちまったか?
体を起こし、視線を前に向けた瞬間―――――――
無意識のうちに魚月を探してる。
自分の知らないうちにドラッグストアへと足が動いてたくらいに。
「…んでだよ、魚月…っ」
何度も…
何度も何度も何度も何度も自分に言い聞かせた。
魚月には婚約者がいて、もうすぐ結婚する、と。
もうすぐ誰かのものになる、と。
家庭のある女になるのだ、と。
家庭のある女には手を出さない、と。
最後なら、さよならぐらい言わせて欲しかった。
もう1度、魚月に会いたかった。
もう1度、口喧嘩でも嫌味でもいいから魚月と話したかった、声が聞きたかった。
でも、今になって思っても全部どうにもならないこと。
まさか、魚月の存在が俺の中でこんなに大きくなってるなんて知らなかった…。
転んだままの体に、冬の冷たい風が吹き抜ける。
さすがに…、自分で自分に同情してしまう。
痛みを堪えて立ち上がろうとした。
いつまでも歩道の真ん中で座り込んでたら通行人の邪魔になるし、何より恥ずかしい。
力を入れただけでズキッと痛む足。
何とか力を入れて立ち上がろうと片膝を立てた。
ちくしょー、捻挫でもしちまったか?
体を起こし、視線を前に向けた瞬間―――――――