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第1章 累（かさね）

５

１月19日の朝７時頃のことでありました。

女々しい性格になってしまった慶彦に愛想を尽かして娘ふたりを連れて家出をしてしまったすずねは、家出をした日に知人が暮らしている部屋でひとばん過ごしたあと、松山市南高井町にあります生まれ在所の家に一時帰宅をしていました。

すずねは、実家の両親に慶彦が女々しい性格になってしまったので家族を守って行く意志を喪失（なく）したことと義久夫婦が言うことは口先だけで助けてくれないことと晴久たちシングルきょうだいたちからシツヨウに暴力をふるわれたことなどを涙ながらに訴えました。

涙ながらに今のキュウジョウを伝えているすずねの言葉を聞いた両親は、シアンガオになっていましたが『こんなことになるのであれば（中学の時から付き合っていた男の子）くんの方がよかったみたいだ…わしらの選択ミスだった…』と言いまして悔やんでいたのでありました。

できたらうちに帰ってきてほしい…

だけど…

今はきよね（はつねの妹・38歳）が年下のカレと結婚したいといよるので…

寝ぼけた性格をなおすことが先だから…

すずねのことを助けてあげることができない…

すずねの両親は、ものすごくつらそうな声ですずねに助けてあげることができないと伝えました。