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第2章 不法侵入家族（よそもん）

時は夜10時頃のことでありました。

雨がさらに強さを増して降りしきる中で、かずみと常吉が帰宅をしました。

玄関に行きましたしげよは、晩ごはんの時間になっても帰宅をしなかったかずみにあつかましい声で言いました。

「かずみ!!常吉がびちょびちょに濡れてしまったと言うのにあんたはどこでなにをしていたのかしら!!」
「おかーさん!!うちは寄り道をしようと思ってこななふうになったんじゃないのよ!!国道３ヶ所で深刻な自動車事故が発生したので迂回路を探し回っていたけど途中の道で動けなくなってしまったのよ!!孫兵ヱ作の細い道（旧道）の付近で警察官が手信号で交通整理をしていたから通り抜けるまでに時間がかかってしまったのよ!!」
「それだったら、どうして朝倉の農道へ迂回しなかったのかしら!!」
「引き返そうとしたら、長沢の交差点でダンプカーがひっくり返って積荷の土砂をかやして（ひっくり返して）いて交差点をふさいでしまったのよ!!とてもとはいえんけど無理よ!!事故が同時に発生した時、車は桜井駅口のバス停の付近の（押しボタンの）信号待ちをしていたのよ!!それからうちがどなな想いをしていたのかわからんのよね!!」
「おかーさんは、おとーさんがみんながそろって晩ごはんを食べる時間を楽しみにしているから早く帰ってきてと言うたのよ!!」
「おとーさんがみんながそろって晩ごはんを食べることが楽しみって…バカじゃないのかしら…他に楽しみがないから家族に求めているだけじゃないのよ…ほやからアタシの婚期が逃げてしまったのよ!!どーしてくれるのよ!!悪いと想うのであればうちを20代の頃に帰してよ…帰しなさいよ!!帰さないのであれば一生憾み（うらみ）通すから…」

かずみはしげよにより強烈な言葉をぶつけたあと、プンと背中を向けて部屋へ行ってしまいました。

かずみから強烈な言葉をぶつけられてしまったしげよは、びちょびちょに濡れてしまった常吉に八つ当たりをしました。