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第10章 〜背徳への萌芽〜

「よぅし。そうだよ。ちゃんと私の言うことを守ってくれればいいんだ。」

叔父は、そういうと室内にあった椅子二脚を移動させ、対面に置いた。

「ふたりとも椅子に座りなさい。そうだ。」

ふたりが椅子に座ると、叔父は例の奇妙な道具が入った戸棚の扉を開け、妙なものを次々と取り出した。

そして、道具の中から拘束具を取り出すと、郁美と早紀の手足に取り付け、椅子に縛り付けたのだった。

叔父がまず、キレ気味に早紀に話し掛ける。

「早紀ぃ、分かっているね、パパとの約束を破ったんだ....罰を....罰を与えるからね....」

早紀は父親の様子を見て、過去の経験に今の状況を照らしてみた。

(怖い....パパが一番怖いときといっしょだ....)

「パ....パパ？....ごめんなさい！！早紀が悪い子でした！！おねがい！！ゆるしてください！！」

「.....そうか....早紀はかしこいね....そうだね....ちょっといけない子だったね....少しだけ....罰を受けようね....」

叔父はそう言うと、円筒状のプラスチック容器を手に取った。