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第13章 〜偽りの平穏の破壊へ〜

Uから郁美の過去について聞き出して以来、1ヵ月ほど頭の中を整理した。

郁美の過酷な幼少時代を知り、それに関わっていた人物に対し、それぞれに単純ではない感情が湧いたのだが、整理に時間がかかった。

私が到達した結論は、シンプルに表現すると
「すべての人間が真実を知る必要がある」ということだった。

その中には、私が郁美とUとの関係を知りながら、あえて「寝取られ状態を楽しんでいた」という事実も含む。

すべての人間が真実を知って、焼け野原になった場所から再出発するベきだという結論だ。

郁美の過去を知って、これからも郁美と共に生きるという選択肢もあるだろう。

しかし、郁美が私に自分の真実の姿を隠していたように、私もまた、郁美に私の真実の姿を晒してはいない。

郁美が本当の私の姿を知ってどうするのか。

そのうえで、まだ私を選ぶのもよし、Uをパートナーとして生きていくのもいいだろう。

郁美に関わった人物すべてに真実を告げる。

そして、それぞれが真実の上でこれからの人生を生きていくベきだ。

最低限すべての人物に、それなりのダメージは受けてもらう。

しかし、すでに全てを知っているが、悩むこともなく人生を謳歌しているやつらがいる。

こいつらは別で社会的に抹殺してやろうと決めた。

プランはおぼろげに浮かぶものがある。

しかし、やつらを確実に仕止めるには、どうも決め手に欠く。

現状を説明すれば、即座に鋭く結果をシミュレートできるようなブレーンがいれば....

....いる。

どのみち全てを知ってもらわなければならない人物だ。

悪いが、最後にちょっとつきあってもらう。