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第14章 〜Uとの対面〜

さて、Uと対面する日となった。

少々仕事もうわの空で、危うくミスをするところだった。

Uに力を貸してもらうところまで漕ぎつけるには、それなりの準備が必要だ。

私なりにUという人物を分析したところでは、なんとか話をするところまでは上手くいくのではないかと思っている。

全てが私の狙い通りになるとまでは思えないが....

とにかく、最初にUと交わす会話の中身は重要になるだろう。

それでも、Uが切れ者であるところが、私にとって救いでもある。

何を説明すれば納得してもらえそうか、想定しやすいからだ。

頭のいい人物ほど無駄な説明が要らない。

とりあえず、待ち合わせは少々工夫することにする。

おそらくまともに待ち合わせると失敗するだろう。

Uも初対面の私がどんなやつなのか、まずは遠目で確認するような行動をとるはずだ。

私はすでにUの姿を見て知っているが、Uのことだ。郁美の旦那がどんな人物なのか姿形ぐらい、何かで確認して知っていてもおかしくない。

当然、待ち合わせの場所に郁美の旦那の姿があれば、何らかの危険を感じて寄り付かなくなってしまうはずだ。

とにかく話をするまでは、最初が勝負。
あとはなんとなく自信がある。

おそらくUは待ち合わせの時間より早く現れて、店に入る人物を観察するような行動を取るだろう。

そこからは臨機応変に行動するしかない。

とりあえず、約束の1時間前に待ち合わせ場所付近に行った。

店の向かいのビルの2階にある喫茶店に入り、居酒屋の出入口付近を観察することにした。