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郁美の真実 parallel story
第15章 〜始動〜

「そうだ。オレも郁美から叔父とのことを打ち明けられたとき、叔父が郁美を撮影した記録媒体の始末を考えたことがあった。」
「おそらく年代から、記録媒体はDVテープってとこだろう。」
「しかしな、オレの立場では、叔父の書斎とやらが今も存在していたとして、犯罪でも犯さない限り入手は困難だ。」
「ところが状況は変わった。近親者の君がいればやりようはあるかもしれない。」
「....いけそう。」
「閃いたか?」
「....早紀を使います。ただ、まずは今もヤツが別宅のようなものを維持してるのかを手始めに探らないといけない。」
「やりようでは早紀にも壮大に嫌がらせもできるな....」
「おい、早紀とか郁美の動画をヤツらを仕留める道具にする想定じゃないぞ!」
「わかってますよ。早紀は知らないけどね。新たに別の幼な子とヤツが入ってる場面を撮ってるのがあれば、それを使やーいいってんですよね?」
「そうすりゃ、郁美へのダメージは最小限だ。」
「おいおい、くれぐれも頼むぜ。」
「で、早紀をどう使う?」
「年末年始に早紀と会う機会がある....。手に入れてもいないデータの存在をほのめかして不安にさせて言うこと聞かすか....。」
「または....酒に酔わせて私にモーションかけてくるなら、引っかかったフリして逆に利用するもよし....やってみせますよ。」
「そうか。言ってることはだいたい分かる....」
「最低限、早紀から情報が取れそうではあるな....」

