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第18章 〜恋人〜

早紀からメッセージが入るようになり、しばらくやりとりが続いた。

早紀がメッセージで話す内容は、当たり障りのないようなことがほとんどだったが、これまで見たことのない、どこか幼くて、弱気な早紀の一面が見て取れた。

郁美もUとの不倫旅行から帰宅し、おおっぴらに早紀とのメッセージのやりとりもしにくい。

私はコソコソと郁美に隠れてやりとりをした。

なぜ私がコソコソしないといけないのか、どうも納得いかない。

しかし、早紀との会話は嫌ではなかった。

今後のために早紀との関係は良好に保つ必要があるという打算的な考えはあるが、つい、早紀との他愛ない会話を楽しんでしまう自分がいた。

なんだか今後がやりづらい。

早紀が帰国すれば次の段階を踏まないといけない。

早紀の帰国前、延期されたUとの作戦会議に臨むことにする。

早紀の帰国の前日、いつもの居酒屋でUと待ち合わせした。

やはり少し気分が乗らず、遅れて店に入ると、すでにUが生ビールを飲んでいた。