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郁美の真実 parallel story
第21章 〜男の正体〜

[ごめんなさい。今お仕事先の方と会食してて、抜けられないの。]
間髪入れずに連続で返信が入った。
[何を言ってるんだ?そんなもの体調不良で抜け出せばいいだけだろう?また僕を怒らせるのか?]
[とにかく早く来るんだ 僕は怒ってるんだよ?これ以上怒らせるのか?]
(あ....あ....怒ってる‼︎だ....だめ....い、行かなきゃ....でも....こ、こわいよ)
郁美は恐怖を感じながらもタクシーに飛び乗った。
こうなると抗えない。
郁美の身体が覚えているのだ。
過去に彼を怒らせたときのことを覚えているのだ。
とにかく彼の怒りを鎮めなくてはいけない!
郁美は過去のトラウマに支配され、正常な思考能力を奪われた。
郁美がタクシーの後部座席で震える身体を抑えていると、15分ほどでタクシーは指定された場所に到着した。
郁美が駅のロータリーに降り立つとすぐに見覚えのある車が停車しているのに気づいた。
角ばった形の黒光りしたSUVタイプの外国車
だ。
郁美は少し躊躇していた。
しかし間も無く「ハッ」として車の方へ小走りで向かった。
(....ダメだ。いそがなきゃ。)
郁美が車に近寄ると、運転席の男が気づいたらしく、窓が開いた。
男が郁美に声をかける。
「乗りなさい。」
郁美は慌ててうなずくと、男の車の助手席に乗り込んだ。
すると車がゆっくりと発進する。
車の行き先はわからない。
だが、郁美には、これから何が起こるのかわかっていた。
郁美はうつむいて座っている。
しばらく車が走行すると、男が口を開いた。
「インフルエンザは治ったようだね。」
「う、うん。治ったんだけどひどくって....。」
「だ、だからごめんなさい!ごめんなさいお兄ちゃん!ゆ....許して....ください。」
男の正体は、郁美の叔父の長男。
早紀の兄に当たる人物だった。
間髪入れずに連続で返信が入った。
[何を言ってるんだ?そんなもの体調不良で抜け出せばいいだけだろう?また僕を怒らせるのか?]
[とにかく早く来るんだ 僕は怒ってるんだよ?これ以上怒らせるのか?]
(あ....あ....怒ってる‼︎だ....だめ....い、行かなきゃ....でも....こ、こわいよ)
郁美は恐怖を感じながらもタクシーに飛び乗った。
こうなると抗えない。
郁美の身体が覚えているのだ。
過去に彼を怒らせたときのことを覚えているのだ。
とにかく彼の怒りを鎮めなくてはいけない!
郁美は過去のトラウマに支配され、正常な思考能力を奪われた。
郁美がタクシーの後部座席で震える身体を抑えていると、15分ほどでタクシーは指定された場所に到着した。
郁美が駅のロータリーに降り立つとすぐに見覚えのある車が停車しているのに気づいた。
角ばった形の黒光りしたSUVタイプの外国車
だ。
郁美は少し躊躇していた。
しかし間も無く「ハッ」として車の方へ小走りで向かった。
(....ダメだ。いそがなきゃ。)
郁美が車に近寄ると、運転席の男が気づいたらしく、窓が開いた。
男が郁美に声をかける。
「乗りなさい。」
郁美は慌ててうなずくと、男の車の助手席に乗り込んだ。
すると車がゆっくりと発進する。
車の行き先はわからない。
だが、郁美には、これから何が起こるのかわかっていた。
郁美はうつむいて座っている。
しばらく車が走行すると、男が口を開いた。
「インフルエンザは治ったようだね。」
「う、うん。治ったんだけどひどくって....。」
「だ、だからごめんなさい!ごめんなさいお兄ちゃん!ゆ....許して....ください。」
男の正体は、郁美の叔父の長男。
早紀の兄に当たる人物だった。

