この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
郁美の真実 parallel story
第21章 〜男の正体〜
[ごめんなさい。今お仕事先の方と会食してて、抜けられないの。]

間髪入れずに連続で返信が入った。

[何を言ってるんだ?そんなもの体調不良で抜け出せばいいだけだろう?また僕を怒らせるのか?]

[とにかく早く来るんだ 僕は怒ってるんだよ?これ以上怒らせるのか?]

(あ....あ....怒ってる‼︎だ....だめ....い、行かなきゃ....でも....こ、こわいよ)

郁美は恐怖を感じながらもタクシーに飛び乗った。

こうなると抗えない。

郁美の身体が覚えているのだ。

過去に彼を怒らせたときのことを覚えているのだ。

とにかく彼の怒りを鎮めなくてはいけない!

郁美は過去のトラウマに支配され、正常な思考能力を奪われた。

郁美がタクシーの後部座席で震える身体を抑えていると、15分ほどでタクシーは指定された場所に到着した。

郁美が駅のロータリーに降り立つとすぐに見覚えのある車が停車しているのに気づいた。

角ばった形の黒光りしたSUVタイプの外国車
だ。

郁美は少し躊躇していた。
しかし間も無く「ハッ」として車の方へ小走りで向かった。

(....ダメだ。いそがなきゃ。)

郁美が車に近寄ると、運転席の男が気づいたらしく、窓が開いた。

男が郁美に声をかける。

「乗りなさい。」

郁美は慌ててうなずくと、男の車の助手席に乗り込んだ。

すると車がゆっくりと発進する。

車の行き先はわからない。

だが、郁美には、これから何が起こるのかわかっていた。

郁美はうつむいて座っている。

しばらく車が走行すると、男が口を開いた。

「インフルエンザは治ったようだね。」

「う、うん。治ったんだけどひどくって....。」

「だ、だからごめんなさい!ごめんなさいお兄ちゃん!ゆ....許して....ください。」

男の正体は、郁美の叔父の長男。

早紀の兄に当たる人物だった。
/381ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ