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郁美の真実 parallel story
第22章 〜再教育〜
そのままその場にうずくまる郁美。

いくぶん手加減はされているのだろうが、あまりの痛さに、郁美は呼吸さえままならず、さらに床に倒れ込んでしまった。

義彦はそんな郁美を放置すると、また、アタッシュケースのところまで行き、中から奇妙な道具を取り出してテーブルの上に並べた。

郁美の痛みがいくらかやわらいだときだった。

また義彦がゆっくりと郁美に近づき、しゃがみこむと、郁美の髪をわしづかみにして強引に顔をあげさせ、言葉を放った。

「郁美....本当に僕との約束をなにもかも台無しにするつもりなんだね....ホテルの部屋に入れば、僕のコトをなんて呼ぶんだった?」

「ご....ご主人さま....」

「そうだ!そうだったよね?」

郁美がうなずくと、義彦はまた態度を一変させ、郁美の身体を抱き起こして頭を撫でた。

「いい子だ 間違えたらダメだよ」

「....はい....ご主人さま....」

「よーし、よし、いい子だ!」

「ちゃんと郁美が頑張れれば、なにも怖いことはないんだよ?頑張れるね?」

郁美は涙を流しながらうなずくしかなかった。

もう、なにもかもに従うしかない。

義彦がどんな言葉やどんな行動でキレるのか皆目わからないのだ。

トランス状態に陥った義彦相手に、郁美は自分の意思でなにかを主張することを一切諦めた。

こうして義彦と郁美の猟奇的な時間が幕を開けた。
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