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郁美の真実 parallel story
第32章 〜早紀、小学6年生 迫る黒い霧〜
早紀は11歳から12歳となる時分、可憐な少女から美しい女性へと成長を遂げつつあった。

当時、早紀は気づかないのだったが、その成長を心待ちにしている人物がいた。

この物語の中心的存在である「郁美」

その郁美の叔父に当たる人物、早紀の実の父親である。

早紀の父親が、その裏側に鬼畜の顔を持っていることはすでに明らかなっているが、早紀の回想を辿ると、その異常に歪んだ本性がより鮮明に浮かびあがる。

現在、早紀の父親は、某有名商社の役員となり、その中でも将来組織の頂点に登り詰めるであろうポジションにいる。

このポジションを得るために早紀の父親は鬼畜とも言える手段を使ったのだった。

もともと幼児性愛者であった早紀の父であったが、30代に入るまでは、せいぜい違法な児童ポルノを楽しむ程度であった。

ところが、30代も半ばになったとある日、早紀の父を鬼畜の道へと導く出来事があった。

早紀の父は優秀であった。

当時、同世代の出世頭で、役職は課長の一歩手前ではあったが、その仕事の手腕は素晴らしく、そこに目をつけたある役員から、懐刀のような登用をされていた。

早紀の父は、その手段を選ばない仕事ぶりもあって、会社に莫大な利益をもたらした。

当時、早紀の父を重用したのが、現在、早紀の父が勤める商社で社長に登りつめた人物、Fであった。
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