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郁美の真実 parallel story
第36章 Minerva
早紀と温泉旅行に行ってから10日ほどが過ぎた。
私は、いつもの通勤途中、微かな違和感を覚えた。
正確には、このとき何かに気がついた訳ではなかったのだが、異変の元を辿ると、「あのときからだな」と思ったという表現のほうが正しいかもしれない。
数日前から、いつもの電車待ちの列に、コート姿の男が加わるようになった。
まあ、そんなに気にするほどのものではないのだが、なんとなく気づいたという程度のものだ。
男の存在に気づいて4日後、私は出勤途中、朝から別の支社に寄るためいつもとは逆方向のホームに並んだ。
なんとなくホームを見渡すと、私の並んでいる列の1両別の車両の列に、あの男の姿があった。
(あれ?あの人も今日は逆方向か?)
まあ、そんなこともあるだろう。
ところが翌日、夜の会議のために出勤時間を昼にシフトし、遅めに乗った電車の車両に、また、あの男の姿を見つけた。
(なんだ?偶然にしては出来過ぎだな)
ひとつ、試してみることにする。
私は、降りる予定のない駅で列車を降りることにした。
私が、いつもの駅よりひとつ手前の駅で列車を降りると、隣の車両に乗っていた例の男も列車を降りるのがわかった。
さて、ここからまた列車の車内に戻るとどうなるか。
再び列車に戻り、確認してみると、例の男も隣の列車に戻るのが見えた。
(ん〜....どうやらオレについて来てるな....身辺調査か?....いったい誰が、なんのために?)
考えてみても、腑に落ちない。
しばらく気付かないフリをして、Uあたりに相談してみることにした。
私は、いつもの通勤途中、微かな違和感を覚えた。
正確には、このとき何かに気がついた訳ではなかったのだが、異変の元を辿ると、「あのときからだな」と思ったという表現のほうが正しいかもしれない。
数日前から、いつもの電車待ちの列に、コート姿の男が加わるようになった。
まあ、そんなに気にするほどのものではないのだが、なんとなく気づいたという程度のものだ。
男の存在に気づいて4日後、私は出勤途中、朝から別の支社に寄るためいつもとは逆方向のホームに並んだ。
なんとなくホームを見渡すと、私の並んでいる列の1両別の車両の列に、あの男の姿があった。
(あれ?あの人も今日は逆方向か?)
まあ、そんなこともあるだろう。
ところが翌日、夜の会議のために出勤時間を昼にシフトし、遅めに乗った電車の車両に、また、あの男の姿を見つけた。
(なんだ?偶然にしては出来過ぎだな)
ひとつ、試してみることにする。
私は、降りる予定のない駅で列車を降りることにした。
私が、いつもの駅よりひとつ手前の駅で列車を降りると、隣の車両に乗っていた例の男も列車を降りるのがわかった。
さて、ここからまた列車の車内に戻るとどうなるか。
再び列車に戻り、確認してみると、例の男も隣の列車に戻るのが見えた。
(ん〜....どうやらオレについて来てるな....身辺調査か?....いったい誰が、なんのために?)
考えてみても、腑に落ちない。
しばらく気付かないフリをして、Uあたりに相談してみることにした。