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郁美の真実 parallel story
第36章 Minerva
早紀が以前から、この得体の知れない組織と関わっている....
いや、十数年ぶりだと言っていたということは、幼少期に関わりを持たされていた....
つまり、早紀の父親がこの組織を利用するための道具として使われていたといったところか。
そんなことを考えながら、ただ黙ってバーボンを3杯ほど飲んだ頃、Gが時計を見ながら言った。
「そろそろ早紀様の催しのお時間です」
「....」
「ご覧にならないという選択もありますが....」
「いえ....拝見しましょう」
「わかりました」
Gが壁面のパネルを操作すると、再び鏡になっていた壁が透き通った。
「音声はいかがなさいますか」
「聞こえるようにしてください」
「わかりました」
ガラスの向こうには、先ほどの下品で騒がしい雰囲気とは打って変わって、闇の中にぼんやりと白いステージが浮かんでいた。
スピーカーを介して聞こえてくるのも、歓声ではなく、時折ヒソヒソと話す声が聞こえてくるだけだった。
しばらくすると、闇にしか見えていなかったステージの向こう側にうっすらとスクリーンのようなものが浮かぶ。
ふと、目をステージに落とすと、いつの間に現れたのか、タキシード姿で手にマイクを持った男が立っていた。
男はおもむろにMCを始める。
「お待たせしました....本日のメインイベントと言っても過言ではないでしょう....」
「かつて、ここ、ミナーヴァで私たちを魅了した、あの天使が美しく成長して帰ってきました」
「多くは語りません....しばしスクリーンでの映像にて、あの頃を思い出しましょう....」
MCの男がスポットライトから消えると、背後のスクリーンが少しずつ明るく浮かび上がった。
いや、十数年ぶりだと言っていたということは、幼少期に関わりを持たされていた....
つまり、早紀の父親がこの組織を利用するための道具として使われていたといったところか。
そんなことを考えながら、ただ黙ってバーボンを3杯ほど飲んだ頃、Gが時計を見ながら言った。
「そろそろ早紀様の催しのお時間です」
「....」
「ご覧にならないという選択もありますが....」
「いえ....拝見しましょう」
「わかりました」
Gが壁面のパネルを操作すると、再び鏡になっていた壁が透き通った。
「音声はいかがなさいますか」
「聞こえるようにしてください」
「わかりました」
ガラスの向こうには、先ほどの下品で騒がしい雰囲気とは打って変わって、闇の中にぼんやりと白いステージが浮かんでいた。
スピーカーを介して聞こえてくるのも、歓声ではなく、時折ヒソヒソと話す声が聞こえてくるだけだった。
しばらくすると、闇にしか見えていなかったステージの向こう側にうっすらとスクリーンのようなものが浮かぶ。
ふと、目をステージに落とすと、いつの間に現れたのか、タキシード姿で手にマイクを持った男が立っていた。
男はおもむろにMCを始める。
「お待たせしました....本日のメインイベントと言っても過言ではないでしょう....」
「かつて、ここ、ミナーヴァで私たちを魅了した、あの天使が美しく成長して帰ってきました」
「多くは語りません....しばしスクリーンでの映像にて、あの頃を思い出しましょう....」
MCの男がスポットライトから消えると、背後のスクリーンが少しずつ明るく浮かび上がった。