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あらがわない夜を、あなたと
第3章 頬の火照る夜
目隠しが邪魔だ。
格の目が見たい。言葉で紡ぎきれない感情の移ろいを知りたい。

「一度視界を返してやるよ」

引き続きのおねだりを口に出そうとするみなみより、先に声を出したのは格だった。
不定期ながらも夜の関係を半年間続けていくことで、なんとなくお互いの求めているものが直感的にわかるようになってきた。というより、最初から、この営みのパートナーとして、寸分の狂いなく収まっていたのだが。
後ろ手に拘束されたままのみなみから、格がアイマスクを外す。

あ、やっぱり格も楽しそうだ。

日の出ているうちの格は、きわめて人好きのする表情をしている。
冷たい瞳の色を見せまいとするかのように、顔いっぱいで笑う。
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