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君の光になる。
第4章 会いたい
毎週月曜日に安倍と会うことになっていた。遊園地やカラオケのように、夕子が一人で行けなかった場所へ行くことが出来た。
髪を切ってから二ヶ月が経った。次のステップはまだ訪れていなかった。
十月のある月曜日。その日も安倍と会っていた。遠出をしたせいか、夜遅くいつもの駅に戻った。
安倍の車は静かに止まった。
「駅のロータリーです。すみません……少し遅くなってしまいました」
夕子は指触腕時計の文字盤を指先で確かめた。時刻は午後十時二十分を指している。安倍と過ごした時間で一番遅い時間だ。
――遅くなっちゃった。
そこは普段の雑踏が想像できないくらいに静かだった。
「楽しかったです。私、時間を忘れていました」と、夕子は笑って見せた。
「立花さんの家まで送ります。だけど、この季節ハロウィンの飾りがキレイです」
「どんな感じですか? ハロウィンの飾りって……」
「ええ、ここのは一面紫色の電飾の中にカボチャの茶色が散りばめてあって、キラキラと幻想的です」
頭のキャンバスにそのイメージを描いた。夕子は子供のときから耳で聞いた事柄を想像するのが好きだった。
「私、少し車から降りてもいいですか?」
しばらくすると車のドアが静かに開いた。子供のころ、母親が読んでくれた童話の中のカボチャの馬車から降りるようだ。
夕子は大きく深呼吸した。冷たい風が髪を撫でる。昼間のような騒々しさはなかった。
髪を切ってから二ヶ月が経った。次のステップはまだ訪れていなかった。
十月のある月曜日。その日も安倍と会っていた。遠出をしたせいか、夜遅くいつもの駅に戻った。
安倍の車は静かに止まった。
「駅のロータリーです。すみません……少し遅くなってしまいました」
夕子は指触腕時計の文字盤を指先で確かめた。時刻は午後十時二十分を指している。安倍と過ごした時間で一番遅い時間だ。
――遅くなっちゃった。
そこは普段の雑踏が想像できないくらいに静かだった。
「楽しかったです。私、時間を忘れていました」と、夕子は笑って見せた。
「立花さんの家まで送ります。だけど、この季節ハロウィンの飾りがキレイです」
「どんな感じですか? ハロウィンの飾りって……」
「ええ、ここのは一面紫色の電飾の中にカボチャの茶色が散りばめてあって、キラキラと幻想的です」
頭のキャンバスにそのイメージを描いた。夕子は子供のときから耳で聞いた事柄を想像するのが好きだった。
「私、少し車から降りてもいいですか?」
しばらくすると車のドアが静かに開いた。子供のころ、母親が読んでくれた童話の中のカボチャの馬車から降りるようだ。
夕子は大きく深呼吸した。冷たい風が髪を撫でる。昼間のような騒々しさはなかった。