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君の光になる。
第6章 君の光に
「じゃあ、私は……」
「……オーナー、多分、すぐに戻ると……」
夕子は顔を小さく横に振った。
「じゃあ、夕子さんがいらっしゃったと……」
「……いえ……麗さん、私から連絡します。勝手にお邪魔してすみませんでした」
夕子は椅子から立ち上がり、石鹸の匂いのする方に頭を下げた。
✣
「夕子、あなたにハガキが届いてるわよ」
そのハガキが届いたのは、安倍の美容室に行ってから三日後だった。
「誰から……?」
「……で、変なのよ……。裏は真っ白で全部点字で書いてあるの」
夕子はハガキを手に取り、指先で撫でる。
――ボ、ク、ハ、キ、ミ、ノ……。
一行だけの文章の下には『アベヒカル』と打ってあった。
「…………ふふふ、……バカ……」
――安倍さん、点字、いつの間に勉強したの?
胸がいっぱいになる。涙が湧き上がる。
「何て書いてあるの?」
「君の……君の光になる……って……」
「きゃ、それラブレターじゃない?」
――会いたい。安倍さんに会いたい。
「……オーナー、多分、すぐに戻ると……」
夕子は顔を小さく横に振った。
「じゃあ、夕子さんがいらっしゃったと……」
「……いえ……麗さん、私から連絡します。勝手にお邪魔してすみませんでした」
夕子は椅子から立ち上がり、石鹸の匂いのする方に頭を下げた。
✣
「夕子、あなたにハガキが届いてるわよ」
そのハガキが届いたのは、安倍の美容室に行ってから三日後だった。
「誰から……?」
「……で、変なのよ……。裏は真っ白で全部点字で書いてあるの」
夕子はハガキを手に取り、指先で撫でる。
――ボ、ク、ハ、キ、ミ、ノ……。
一行だけの文章の下には『アベヒカル』と打ってあった。
「…………ふふふ、……バカ……」
――安倍さん、点字、いつの間に勉強したの?
胸がいっぱいになる。涙が湧き上がる。
「何て書いてあるの?」
「君の……君の光になる……って……」
「きゃ、それラブレターじゃない?」
――会いたい。安倍さんに会いたい。