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舞い降りた天使
第8章 失望
「さっちゃん…」
桜に
なんて言えばいい?
どう説明すれば
傷つかないですむ?
どんな言い訳をすれば
がっかりしない?
私は桜を抱きしめながら
必死で言い訳を考えていた
でもそんなの見つからない
それでも何か言わなきゃ
そう思った時
桜の小さな小さな声が聞こえた
「わたしのは…
色が嫌いだったのかな…」
「違うよ
そんなことないよ
何か理由が
桜、ちょっと待っててね」
許せないと思った
桜にだけは
優しくして欲しかった
だから
着替えを済ませて
玄関に向かうパパを
私は追いかけた
「パパ、どうしてミサンガつけてるの?」
私は必死で怒りを抑え
そして
なるべく桜に聞こえないよう
小さな声でたずねた
「なんでってもろたからや」
「桜のは邪魔だってつけなかったじゃない」
「はぁ?」
「桜が作ったミサンガのこと!」
「なんやごちゃごちゃと
とにかく急ぐから後で聞くわ」
「ちょっと待って!」
バタンッ