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舞い降りた天使
第8章 失望


「お母さん」

「ん?」

「またタクニイと
遊びたい」

「うん、わかった。
そう言っとくね」

「うん」

巧くんの写真を見て満足したのか
遊ぶ約束をして
嬉しかったのか
やっと桜は
何とも言えない笑顔を私に見せて
目を閉じた




お母さんもね
巧くんに会いたいよ

桜が
私に優しくしてもらうように
私も
巧くんに
優しくされたい

今すごく
巧くんに会いたい

でも
そんなこと考えてるなんて
ダメなお母さんだよね…

ごめんね、桜



桜が眠りに落ちて
寝息を立て始めると
私はそっとリビングに戻って
メールを確認した

でも届いたメールは一件もなく
私は深い溜息をついた

私が待っていたのは
パパからのメールで
話を合わせておくために
桜に説明したミサンガの言い訳を
数時間前にメールしておいた
その返信

元々返事は来ないと思っていたけど…。

メールを読んだとしても
機嫌を悪くして
返事なんてくれないだろう
もしかしたら
もう今日は
帰って来ないかもしれない

桜が目を覚ました時には
居てあげて欲しかったけど…

そして
「ごめんな桜」と
一言でもいいから
謝って欲しかったけど…。


今まで
色んなことがあった

でも
こんなにも
失望したのははじめてだった

なんだったんだろう
今まで頑張ってきたこと


巧くん

私…

今、巧くんに会いたい



私は
静かな冷んやりとした部屋で
携帯の中の巧くんを見つめながら
また込み上げる涙を
必死で堪えていた

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