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舞い降りた天使
第8章 失望

「真穂、まだ電話できる?」

「…多分…わからないけど」

「俺から
掛け直していい?」

「…うん」

「すぐに掛け直すから
あったかいものでも飲んでてくれる?
絶対、ほんとに絶対
掛け直すから
待てる?」

「うん」

「じゃ、後でね」

「…うん…巧くん」

「何?」

「待ってる」

「うん、待ってて
10分だけ。
大丈夫?」

「うん」

「じゃあ後でね」


電話を切ると
エンジンをかけ
俺は真穂の住むアパートへと向かった

一度電話を切るなんて
ほんとはしたくなかったけど
初めて泣きながら電話をしてきた真穂が
一刻も早く助けを求めてるような気がしたんだ

それに
少しでも近くに居たいとも思った

電話なんだし
おかしいかもしれないけど
とにかく
少しでも真穂に近づきたかった


確か真穂の住むアパートは
山本病院の先の信号を曲がり
二つ目のアパートだって
前に真穂が言ってた

ここ…だよな…

俺は路駐をして
アパートを見上げながら
早速真穂に電話をかけた


「真穂、俺」

「うん」

「待たせてごめんね。
旦那さんは留守?」

「うん」

「じゃあ電話大丈夫だよね?」

「うん、大丈夫。
ごめんね巧くん
忙しいんでしょ?
それなのに電話してもらって」

「忙しくなんかないよ。
ここに来るまで
10分かかっただけ」

「…ここ?」

「真穂の住んでるとこ
三階建ての…レンガのアパート?」

「うん、そう」

「俺、前の道路にいる」

「えっ、嘘…」

携帯の向こうから
真穂が椅子から立ち上がり
カーテンを開ける音が聞こえた

そして三階の奥から二番目の窓のカーテンが開いて
人影が見えた

…真穂…

「…巧くん…」

運転席から降りて
真穂に大きく手を振り
そして俺は
人目につかないよう
助手席に乗り込んだ

「やっぱこっちの方が
真穂のことよく見える。
こんばんは、真穂」

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