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舞い降りた天使
第14章 着信
次にその番号から電話がかかってきたのは
翌週のこと
ちょうど駿太と
ファミレスでご飯を食べてる最中だった
「タクニイ電話」
「あ、あー…またか」
「出ないの?」
「なんか間違い電話みたいなんだ」
「またかって何回も?」
「2回目」
「違いますって教えてあげたら?」
「それもそうだな」
確かに
間違ってることに気づかないままって
可哀想だしな
そう思った俺は
携帯を持ってファミレスの出口に向かい
ドアを開けながら
謎の電話に応答した
「もしもし」
「……」
「もしもし?」
「……」
「えーっと…どちらにおかけですか?」
「……」
電波が悪いのか
相手の声は全く聞こえない
えっと
間違い電話だって
どう伝えればいいんだろう
栗原ですけど
間違ってませんか?
と、名乗るわけにもいかないし…
「あの、番号間違いだと思いますけど…」
「……」
ダメだ
応答がない
俺は仕方なく
俺の声が聞こえてるのか
聞こえてないのか
分からない相手に
「電波悪いみたいなんで切りますね」
と声をかけてから電話を切り
席に戻った
「やっぱ間違い?」
「多分」
「多分って?」
「電波悪いみたいで
相手の声が聞こえなかったんだ」
「そっか」
「やっぱあれかな」
「ん?」
「遠いからかな」
「遠い?」
「沖縄からなんだ」
「沖縄?!
てか携帯からじゃねーの?」
「携帯じゃない」
「それなのに電波悪いとかあんの?」
「さぁ」