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舞い降りた天使
第2章 パッションフラワー

「おかえりなさい」


「はぁ~…」


パパは帰ってくると
冷蔵庫から自分で缶ビールを取り出し
椅子に座って缶のまま
ビールを飲み始めた


「お疲れ様。
お腹すいてるよね。
グラタン、温める?」


「いや、腹は減ってへん」


……そっか


「桜は?もう寝たんか?」


「あ、うん、寝ちゃった。
さっきまで待ってたんだけど」


「そうかぁ」


「あ、ねぇ」


「ん?」


「今日ね、大野先生が…」


「あ~…また今度聞くわ」


今度って…いつ…


「あ、うん」


「風呂入ったか?」


「うん」


「ほな入ってくる。
先寝てええで」


「…あ…うん」


お風呂に向かう
パパの背中を見て思う

ねぇ
どうしていつも
お風呂に入ったのかって
パパは私に聞くの?

もうお化粧も落としてるし
私の髪はまだ少し濡れてるでしょ?


あぁ、そっか

私のことなんて
見ていないから…なんだね


ねぇ
どうして私の話を
聞いてくれないの?

こんなにも
話したいのに


ねぇ
どうして
知りたいと思わないの?

桜のことなのに…



桜のこと

気にならないの?


桜は

パパのことが
大好きなのに



桜は

さっきまでパパのこと
待ってたんだよ…っ…


桜が…可愛そう…


そう思うと
悲しさが一気に溢れ出し
我慢していた涙が込み上げてきた

だめ

泣いちゃだめ

桜が起きてきたら
どうするの!

そう思いながら
声が出ないように
唇を噛んで目を閉じると
瞳いっぱいに溜まっていた涙が頬を流れ落ちた


お願い

少しだけ

少しだけでいいから




優しくして…。




そう心の中で願った時

私の携帯が震えた


携帯に届いたのは
一通のメール


崩れそうな私に
救いの手を差し伸べたのは


栗原くんだった



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