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舞い降りた天使
第17章 決戦
「決まりね。
あとは徳永さんの離婚が成立して
桜ちゃんも含めて
一緒になりたいと思うなら
その先を考えなさい」
「うん、わかった」
姉ちゃんの話に
間違いは一つもないことくらい
わかってる
仕方ないってことだって
理解してる
けど
せっかく会えたのに
また会えなくなるとか
考えただけで
狂いそうだ
「じゃ、遅くならないうちに帰った方がいいわ。
桜ちゃんが眠くなる前に」
「はい、わかりました」
姉ちゃんに促され
俺と真穂は廊下に出て
駿太の部屋に向かった
俺も真穂も
廊下で二人きりになると
会えなくなるその寂しさからか
どちらともなく手を握り
視線を合わせた
「ごめんね
勝手に色々…」
真穂は
申し訳無さそうな顔で俺を見上げた
「いや、すごいなって思ってるよ。
やっぱ仕事のできる
徳永さんだなって久々に思った。
それと…」
「ん?」
「こんなに深く考えるほど
別れたかったんだなって…
辛かったんだなって
心配になった。
よく頑張ったよ、今まで」
「…うん」
「会えなくなるとか…
俺狂いそうだけど」
「…うん…」
このまま抱きしめたい
そう思いながら
真穂の頰に触れようとしたその時
目の前の駿太の部屋から
さっちゃんの声が聞こえてきた
もちろん
駿太の声も
何を話してるのか気になった俺は
シーっと真穂にジェスチャーをし
そして手を繋いだまま
俺達は耳をすませた