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舞い降りた天使
第2章 パッションフラワー
「あ、あの、栗原くん、手…」
廊下に出て
やっとしゃべったと思ったら
手を離せと?
なんでそんなに
手を触られんの嫌なんだよ
「手が何?」
「な、何って
もう放して」
それも
真っ赤な顔でさ
「嫌です」
「えっ、で、でも」
徳永さんが焦れば焦るほど
からかいたくなる
「メール返してくれなかったから
俺、怒ってんですから」
「あ、ごめんね。
あれは、あの…」
「いいです。
とにかく座ってください」
休憩室に入り
手を繋いだまま
わざと不貞腐れた顔でそう言うと
徳永さんは
ちょっと泣きそうな顔で
「…うん」
と、小さく返事をした
「ごめん。
やりすぎた」
「え?」
「昨日の仕返しです。
俺、返信ずっと待ってたんですから。
けど
ほんとは怒ってなんかないですよ?
安心してください」
「…よかった…」
徳永さんは
ほっとしたように
そう呟いて
手に持っていたお弁当らしき袋を
テーブルに置いた
「なんですか?それ。
もしかしてお弁当?」
「…うん。
栗原くん、居ないかもって思って」
「俺、居たじゃん。
なのにここまで持ってきたんですか?」
「あ、えっと…
気づいたら持ってたみたい」
クスッ(笑)
いつも
大人しく仕事してる徳永さんだけど
案外うっかりな所もあるんだと思うと
俺は益々親近感がわいた