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舞い降りた天使
第2章 パッションフラワー



「駿太
なんで電話くれなかったんだよー」


聞こえてくる栗原くんの声
すごく…楽しそう

その弾んだ喋り方は
まるで私の知らない人みたいだった


「めっちゃ寂しかったんだぞ!
あ、週末泊まりに行こうかなー…」


そこから
栗原くんの声は
聞こえなくなってしまった


栗原くんは
人当たりもよくて優しくて
きっと仲のいい友達も沢山いるんだろう

『寂しかったー』なんてセリフ
ちょっと栗原くんぽい

女の子が甘えるようなセリフを
栗原くんが口にしても全然おかしくないのは
あの優しそうな笑顔のせいかな…

それとも
あのエクボのせい?


そういえば
あのエクボって…何て名前なんだろう


私は
無性に栗原くんのエクボの名称が知りたくなって
携帯で検索をかけた


頬の上にあるエクボ……


あ、あった



インディアンエクボっていうんだ




インディアンエクボ……



それから私は自分の席に戻り
少し離れた席にいる
栗原くんの背中を見つめた


振り向いてくれないかな


私にじゃなくてもいい

偶然でもいい

振り向いて笑った栗原くんの
あのインディアンエクボが見れたらいいのに…


私は
そんなことを考えながら
寂しい気持ちで終わってしまったお昼休みを引きずったまま仕事をし
そして夜を迎えていた

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