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舞い降りた天使
第4章 過ち

でも
徳永さんの
抵抗は無い

俺はそれを確認すると
背中にも手を回して
ゆっくりと
徳永さんの背中をさすった


「じゃあ教えて。
徳永さんが思う
さっちゃんの長所」

「……」

徳永さんは
しばらく考えたあと
俺の胸に顔を埋めたまま
小さな声で話はじめた

「毎日学校に
楽しそうに行くところ」

「すごいね!」

「あと
誰とでも仲良くするところ」

「誰とでも?」

「そう。
少し障害があるお友達とも
普通に仲良くするから
その子の隣の席になることが多いの。
担任の先生に
ありがとうって言われたことある」

「すごいじゃん!」

「すごくないの。
本人は
普通にしてるだけで」

「普通にそういうことするのが
すごいんだよ。
徳永さんが
いいお母さんだからだなー」

「……」


相変わらず
『いいお母さん』というフレーズに
徳永さんは拒否感を抱くみたいで
そこで会話が止まってしまった

「徳永さん」

「……」

「そーゆーの
ほかの人に話せないだろ?
さっちゃんが褒められたこととか自慢話とか。
俺にはじゃんじゃん教えてよ。
俺、聞きたいから」

すると
徳永さんは
俺に抱きしめられたまま
顔を上げて
俺を見つめた

「いいの?」

なんだよそれ

「いいよ」

「面白くないのに?」

上目遣いで
そんな
甘えた顔で

「面白くないって誰が決めたの?」

「……」

見つめるなよ


なぁ


徳永さん



俺、今

徳永さんに
キスしたい
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