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舞い降りた天使
第4章 過ち
「早くお迎えに行ったら
さっちゃん驚くだろうなぁ」
そう優しそうに微笑む徳永さんは
いつも寂しい思いをさせてる桜ちゃんのために
もうすぐに帰ると言いはじめた
やっぱり
いいお母さんだよな
あぁそうか
だから俺は徳永さんのことが…
「あ、そうだ。
ここでマニキュア落としてもいい?」
「あぁ、いいよ。
けどさ、もう落としちゃうの?」
「うん」
「もったいない」
「…ん〜…でもいいの」
そこで
徳永さんの顔色が
少し曇った
「どした?
旦那さんに何か言われる?」
「ううん、何も…
というか
塗ってても
パパは気づかないかも(苦笑)」
旦那は気付かないとか
そんなこと言うなよ
せっかく我慢したのに
また
優しくしたくなる
「じゃあ、なんで落とすの?」
「……」
徳永さんは
少し唇を噛んで
話すかどうか迷ってるみたいだった
「もしかして…電話の先生?」
「……」
図星か…
「今さ、お母さんって
マニキュア塗ってたらダメなの?」
「そ、そうじゃないよ。
塗ってるお母さん沢山いるから」
「じゃあ…」
「でも私はダメなお母さんだから
そんなことしてたら
また何か言われそうで(苦笑)」
「え?何それ」
「あ、いいのいいの
何でもないの。
私が勝手にそう思っただけで
何か言われたわけでもなくて
ごめん
変なこと言って
忘れて?」