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最後の恋に花束を
第4章 高校三年の春

翌日、いつも通り登校して授業を受ける。ちょうどお昼休みの頃、遙から連絡が入った。
" 午後4時にバス停で "
その文字と共に今日もまた写真が送られてくる。その写真は、いつのものだろうか… 真っ白な雪化粧に包まれた景色だった。それはとても…とても綺麗な白でとても澄んでいた。
" わかった、待ってる "
短く返事を返す私。その文字の素っ気なさとは裏腹に、遙に会えるのが楽しみで少しだけワクワクしていた。
授業が終わり少し教室でのんびりしてから、時間になるのを待つ。5分前になると、私は鞄を持ちバス停へ向かった。
遙はまだ来ていないようで、ひとりバス停のベンチに腰掛ける。少しすると後ろから声が聞こえ振り向くと、彼がこっちへ向かってくる姿が見えた。
『 可奈ぁー 悪い、お待たせ 』
今まで下の名前で呼ばれたことなどなかったので、その一言にドキリとする。彼はいつも唐突だ。何を考えてるのか… 分からなかった。
「 今から、どこ行くの?」
『 ん?カラオケ。ストレス発散しに行こうぜ 』
「 あー… でも 」
昨日大量出費があった私には、遊びに行くお金なんて無かった。高校生らしく、お金のかからない遊びをしろよ、と自分の心の中で呟いた。

