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最後の恋に花束を
第5章 大学一年の春

「 なっ… なによ今さらっ… 」


その言葉と彼の表情に、緊張の緩んでいた私の心が再び高鳴りはじめる。ベッドに腰掛けて私の事を見る彼は、照れたように自分の髪をクシャッと触るとふたたび口を開いた。


『 いや… 可奈は緊張しねーの?』


不意に名前を呼ばれてドキッとする。
彼の瞳はまっすぐ私を見つめている。
遙が人前で私の名前を呼ぶときは、必ずフルネームで呼んでいるのに、二人になると下の名前で呼んでくる。それが当たり前になっている中、二人きりの時だけ下の名前で呼ぶのは…ずるい。


「 … し、しない。」

『 へぇ…? そうなんだ?』


そう言いながら彼は立ち上がると、玄関の方へ向かう。


「 … どしたの? 」

『 … んや? 風呂、入れば? 』


ガチャッと金属音がする。玄関に背を向けた彼の方を見るとチェーンロックをしたのか、さっきはぶら下がっていたチェーンが、扉と壁を繋いでいるのがチラリと見えた。


「 ん … ハルくん先に… 」

『 いやいや客人が先でしょうよ。』

「 … あ、そっか … 」


玄関から戻ってくると私の身体を横切り、ベッドのそばにある棚の引き出しを開けると、徐ろにジャージを取り出す。それを手にした遙は再び私のもとまで来ると " これ、着な? " と一言だけ口を開くと、そのジャージを私に押し付ける。


「 ありがと… 」


受け取った私は遙に案内されるがまま、脱衣所へと向かい浴室の使い方を説明される。バスとトイレが別になっていて特に不便はなさそうで、彼は説明し終えると " じゃ、ごゆっくり " と言って脱衣所の扉を閉めた。

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